オーディションに関する心得|オーディションの今
ミュージカルの俳優になるにはオーディションが大切です
ミュージカルを学んできた人や、これから目指そうとする人の多くは、プロとしてミュージカルの場に立てるようになることを目指していることでしょう。ミュージカルは、歌がうまい、ダンスが上手、というだけではとても通用しないことは、オーディションを受けようと思っている人なら、承知のはずです。歌もダンスも、演技力も、相応に身につけた上で、光る個性を発揮できる人でなければ、観客をひきつけることができません。けれども、今では手の届かないような有名なミュージシャンでも、生まれたときからプロであったわけではありません。必ず、オーディションや、それに類する門をたたいて、合格して、プロとしての道を究めてきたわけです。ですから、くじけそうになったときは、どんなプロの人も、これから自分が挑もうとしている道を、通過していった時期があるのだということを、心に留めましょう。プロの人がかつて歩んだ道を想像してみると、勇気がもらえるのではないでしょうか。
ミュージカルのオーディションは幾種もあります。小規模のものも含めれば、全国各地で時期を問わず開催されています。インターネットで検索すれば、全国のオーディションの開催情報を提供しているサイトがたくさんあるので、各オーディションの開催日時が、すぐに分かります。オーディション情報を扱っている雑誌もあります。受けたい劇団が明確になっている場合は、その劇団のサイトからこまめに情報を入手するとよいでしょう。オーディションを受けるにあたっては、経験を積む意味では、どんどん受けていくという方法もありますが、応募者は皆それぞれにレッスンや稽古を重ねて、一定の能力は身につけてきています。ですから、一度自分の能力を再確認して、自分の能力にふさわしく、そして新たに引き出してもくれるようなオーディションを目標に定めて、チャレンジしていくとよいでしょう。例えば、有名な大手のミュージカル劇団も募集を行うことがありますが、オーディションを受けるほとんどの人が、プロとしての実績のある人たちです。その中に入って一緒に競っていくだけの実力を兼ね備えているかを、振り返ることは重要です。実力を持たずに、自信を持つことは難しいからです。また、劇団によっては、研修生を募集している所もあります。まず、研修員のオーディションに応募して、実績を積んでいくのもよいでしょう。
大手のミュージカル劇団の他には、企業が商業目的で公演を行う、通称、商業ミュージカルと呼ばれるものが、数多あります。商業ミュージカルには、大手劇団とはまた違った難しさがあります。商業ミュージカルは養成所ではなく、即、プロとして舞台に立てる人物を求めています。プロと同様に、公演や舞台に立てる能力を身につけているかが、オーディションでは見極められます。このように、どのような規模のミュージカルでも、オーディションに受かるのは簡単なことではないので、ひと時も無駄にしないためには、研鑽できる場に所属しながら、希望する劇団のオーディションや研究生のオーディションに応募していくのがよいでしょう。
さて、ミュージカルのオーディションには共通する審査項目があります。それは歌唱であり、ダンスであり、演技です。研修生の募集では、歌唱とダンスだけの場合もありますが、後には同様に磨いていかなければならない能力です。これらの技術は、それぞれ教室や師を探して、専門的に学ぶことも可能ではありますが、歌唱とダンスと演技は、それぞれ別個のものではなく、技術と技術が結びついて、一人の表現者としての魅力を醸し出していくものである必要があります。総合的に技術を磨いていきたいと思ったら、ミュージカルの養成所や養成スクールで、学ぶのが近道になります。けれども、皆同様に学んでいるわけですから、もっと際立たせて個性を磨かせたいと思ったら、さらに究められる教室にも所属するとよいでしょう。